秋のある日、想遠館から立志館へ歩を進めていた時、 正面の窓ガラスが紫色に染まっていて目を奪われました。まるで、黒フレ-ムの1枚の写真のようでした(右)。実は、ハギ(ヤマハギ)の花が立志館の北側で見事に咲き誇っていたのです。
今号の表題は「乱舞する赤紫の蝶」ですが、実は実際の蝶ではなく、”蝶形花”といわれるハギの花のことです。マメ科の花は、上にそそり立つ花びらの「旗弁」が目立ち、横に広がる小さな「翼弁」、雄しべと雌しべを包む「舟弁(竜骨弁)」から成り、その形状から「蝶」に例えられます。密を求めて昆虫がやってきた時には、この花弁の絶妙な仕組みで、花粉を昆虫の体に付けたりもらったりします。
さて、『秋の七草』の花の色は「クズ」(紫)「ハギ」(紫)、「キキョウ」(紫)「ナデシコ」(桃)「フジバカマ」(薄紫)「オバナ」(薄茶)「オミナエシ」(黄)と、同志社になじみの紫が多く落着きを感じます。そして『春の七草』のように、粥にして食べることもせず視覚で愛でるのみです。
この紫色の多い季節、じっくりと身の回りの自然の特徴や変化を観察してみるのも、感性を鍛えるのにいい時季です。特に秋の花は、冬の季節を前にしてどの花も味わい深い咲き方をしています。みなさんの気に入った秋の花がみつかれば、是非伝えに来てください。
ハギの花言葉は「柔軟な精神」と言われます。
確かに、枝垂れる枝を見つめているとやんわりと心が安らぐように思います。
One day in autumn, as I walked the hallways of the Risshikan building, I was able to see what looked like a framed photo of the bush clover flowers blooming along the northern fence. It is said that these flowers resemble butterfies. If you look closely at the flower, you can see that the parts make it look like a butterfly, which helps it spread pollen, using the insects that settle on the flowers. During this season there are a number of plants with purple flowers, a color that has an association with Doshisha, and it is said that these flowers make us feel relaxed.