学内には地質学的におもしろい場所があります。
右の石のベンチは、実は今出川校地に中学校があった時からのベンチです。移転に伴い岩倉まで運んできました。まるで”羊羹”のような形ですが、学内にはこのような形の石があと4つあります。さて、どこにあるでしょうか。これらの石の中には、今出川時代の古い立志館(木造)の階段として使われた石もあります。そう言えば、今出川の彰栄館周辺にあった花崗岩の敷石は、元市電の軌道の石だったと聞いたこともあります。
では、写真のベンチの石を地質の視点で紹介してみましょう。このベンチの岩石は「花崗岩」の仲間なので、昔、地下深くでマグマがゆっくりと固結したものです。ところが下の写真にあるように一部が黒味がかっています。このような部分を「ゼノリス(捕獲岩)」といいます。下鴨神社にはこの形状が「ひよこ」のような形のものもあります。このゼノリスは、マグマが地下深くから地上にむけて上昇する途中で、周囲の岩石の一部をとりこんだものなのです。時には、ルビ-やサファイヤなどの宝石を含むこともあります。さて、このベンチのゼノリスには宝石が含まれているのでしょうか。見かけ上は単なる石のベンチですが、実は壮大な地球史のドラマを秘めているのです。
日常生活で何かうまく行かないとき、壁にぶち当たって解決策が浮かばないとき…そんな時はこの ”地球の壮大なロマンを語るベンチ” に座って発想を思いっきり転換してみて下さい。
The bench in the photo was brought from Imadegawa when we moved to Iwakura.
There are actually 4 large stone slabs like this on the campus. These slabs were used as part on the stairwells in Imadegawa. The stone in the photo is a type of granite that was slowly formed from hardened magma. You can see a darkened part of the stone, which is called a xenolith. Xenolith sometimes contain precious stones, like a ruby or sapphire, but I wonder if there are any Precious stones hiding in one of the benches we have on our campus. Maybe, we’ll never know.