毎日2回、登校時と昼休みに、宿志館からさわやかな鐘の音が流れてきます。学内で選考された司鐘生が心を込めて鳴らす音色です。今出川に学校があった時は、北隣の相国寺の鐘が“gone”と響くのに対して、同志社彰栄館の鐘は“can”と鳴るとよく言われていました。“can”とは、これから可能性をどんどん広げ社会に羽ばたいていく中学生にふさわしい表現です。
ところで、現在宿志館にある鐘は、彫刻家の山本鐘互さんの手により、今出川の彰栄館の鐘を「原型」として製作されました。彰栄館の鐘を実測し、厚みなどは手の感触も生かし、形状を同一にしました。音色は周波数を調べ、鐘の材質も分析し他の鐘に比べて、鉄の割合が多いことも判明しました。鐘は、老子製作所という京都のお寺にも鐘を納めている工場で製作され宿志館に取り付けられました。
このようにほぼ完全に彰栄館の鐘と同一ものを製作したものの若干音色が異なります。鐘の音は年月とともに微妙に変化していくとも言われ、ひょっとすると彰栄館の鐘の音も、設置当初の1887年頃は、今の宿志館の鐘の音色だったかもしれません。そのように考えると、ひょっとしたら今わたしたちは明治期に設置された彰栄館の鐘の音を聞いていることになります。
昔、よく卒業式で歌われた「別れの歌」には「朝夕馴れし鐘の音よ」と歌詞に彰栄の鐘の響きが表現されています。鐘の音は昔から卒業生の心の中にきっと息づいていることでしょう。
Every day, before school in the morning and at the endof lunchtime, a bell is rung by a specially chosen student.
When the school was in Imadegawa, the sound of the bell was said to resemble the word “can”, which is very appropriate for Doshisha students who have a lot of potential. The original bell that is in the Shoeikan building in Imadegawa has been replicated and placed outside the Grace Chapel in our current campus. Although the sound is different, we wonder if it is how the first bell originally sounded?