紅葉の時期も過ぎ、落葉樹は落とすべき葉をほぼ落とし、樹々は着実に来る春の季節へと備えています。学内の自然や周囲の環境も静かで落ち着いた「冬の装い」になりました。
野鳥の世界もどんどん移り変わっています。秋によく見かけたモズやイソヒヨドリなども見かけなくなり、逆に北方からの訪れる冬鳥たちが増えてきました。
最初の写真はジョウビタキ(尉鶲、常鶲)のメスです。中国、沿海州、バイカル湖周辺から海を渡ってやってきます。わずか15g程のこの鳥は、ヒトへの警戒心が低く、すぐそばで写真を撮らせてくれます。しかも「キレイに撮ってね~」とでも言っているように尾を上下させ、とても愛らしい仕草をするのです。
この時はムラサキシキブの果実をしきりについばんでいました。名前の由来は、白髪の「ジョウ(尉)」と火焚の「ヒタキ」からと言われています。鳴き声が火打石で火を起こす音と似ているとのことです。
渡り鳥が渡る際に得ている情報は、星や太陽の位置、海岸線などの地形、地球磁場と言われていますが、その認識能力には驚愕せざるを得ません。身の回りで観察できる動植物は、それぞれの能力をフル活用して、この厳しい冬を乗り越える秘策を着々と実行しています。
みなさんも防寒対策をしっかりして、身の回りで展開しているヒトと違う世界に思いを巡らせてみてください。