
時を超えて響く「和算」のひらめき。京の社で出会う数学と歴史の交差点
江戸時代を中心に、数学者や庶民が自作の問題や解法を神仏への感謝とお披露目の意味を込めて奉納したのが「算額」です。全国各地に現在800面以上残っています。今回のプロジェクトでは、北野天満宮と武信稲荷神社を訪れ、数学と歴史が融合した「本物」を探究しました。

2026年6月20日(土)午後、中学1・2年生16名の皆さんと、まず北野天満宮の絵馬堂へ行き、3枚(それぞれ1686年、1878年、2018年作)の算額を確認しました。問題はいずれも中学1・2年生に難しいので、北野天満宮では、菅原道真の話と、そもそも算額とは何か、なぜ全国の寺社にあるのか、という話をしました。(2018年作の算額は海外の数学研究者が奉納されたもので、英語と日本語で表記されています。)


北野天満宮の最も有名な算額(1878年作)には、ピタゴラスの定理(中3)で解ける問題図もあるのですが、その問題は定理を使って、ある辺の長さを導き出す公式(原文では辺の記号は、「甲」、「乙」、「丙」などの漢字が当てられる)を答えるというものです。現代の中高生にとってはなかなかの難問です。

市内をバスで移動し、武信稲荷神社(たけのぶいなりじんじゃ)へ向かいました。宮司の仲尾さんから神社の算額(1853年作)のコピーを全員がもらい、山形の算額研究家、萬伸介さんにオンラインで算額の問題を現代的な記号を使って紹介・解説していただきました。

生徒たちは、漢字のみで綴られた算額独特の表記に驚きつつも、数学の知識を駆使して「ひらめき」を形にする和算の面白さに没頭していました。実際に境内にある算額を見て、専門家からその解説を聞く経験は、3年生での算額制作という未来の学びへの確かな一歩となりました。
(数学科 園田、田畑)

「算額の問題は漢字ばかりの文章なのに対して、数学の問題は数字やひらがなも使うので、昔と現代の文字の使い方の違いもわかり興味深かったです。2年後、自分でも算額の問題を作ることが楽しみです。」(1年是竹)
「和算は色々な解法があって面白いと思った。和算はひらめきが大切だと思った。」(1年岩橋)





