自然とのやりとりの中で知や学びが湧いてくる

memu Open Research Campus ワークショップ
北海道・大樹町(「探究の旅」)の最終日は、のMEMU Open Research Campus(メム・オープン・リサーチ・キャンパス)を訪れました。この施設は、「地域資源の循環」と「人と自然の共生」をテーマに、研究者・アーティスト・教育者・学生が共に学び合う開かれたリサーチ拠点です。森・風・土・動物といった地域の素材や環境を“研究資源”として再読(リ・リーディング)し、人と自然の関係性を新たに見つめ直し、その本質に迫ろうとする試みが続けられています。
「More than human(人間中心を越えて)」という視点のもと、生態系と生活、技術と感性を結びつける実践の場として注目されています。
到着後、生徒一人ひとりが「今、夢中になっていること」を共有しながら、互いの関心を開く時間を持ちました。ユウさんやナオさんから大樹町の自然や産業を紹介していただき、鹿と人との関わり、資源としての命の循環についてレクチャーを受けました。「どう生きるか」、「どう作るか」、「どう食べるか」という問いをいただきました。そして、自分たちの手で薪を割り、火をおこしました。火が灯った瞬間、いつも見ているコンロの火とは違う何か、自然の力を借りて“生きる”という感覚になりました。そして、鹿の前脚・後脚を使い、命をいただく体験へ。初めて触れる筋肉の重み、骨の硬さ、精肉の難しさを体験しました。「骨と肉の境目を見つけるのが難しかった」という、生徒のつぶやきが印象的でした。
自分たちで整えた火で、鹿肉を調理しました。タクトさんから調理についてとても広くて深いお話をいただきました。「普段食べているお肉とまるで違ったけど美味しかった」、「食べるということがこんなに大変で、生活時間の中で本当はとても大きなことなんだと知った」という感想は印象的でした。
他、「鹿が害獣と見られていることにびっくりした」、「食べることは命を引き継ぐことだと思った」という気づきからは、学問や教科の枠を超えて、いのち、環境、技術などを自分の手を通した時間でつなぐ学びとなっていることは想像に難くありません。
(技術科 沼田 和也)
*探究の旅の手配にご関心のある方は日本旅行まで。





