7:3という感覚的な法則

なぜその形、なぜその取っ手なのか?を探究する
2025年度、同志社中学校の技術科では、恒例のドライバー製作がスタートしました。鋼を鍛造し、真鍮を旋盤で削り、ねじを切る一連の工程の中で、生徒たちは「道具をつくる」というものづくりの核心にふれていきます。
本日の授業は、市販のドライバーを実際に手に取り、握り、ねじを締めたり緩めたりしてみます。
「どうしてこの形なのか?」
「なぜグリップは丸くないのか?」
そんな問いが自然に生まれてきます。握りやすさ、滑りにくさ、力の伝わり方——。それらはすべて、先人たちの工夫と経験が生んだデザインでもあります。
グリップの意味を知り、実際のドライバーを試してつかってみて、先人たちのアイデアが体現された形状になっています。そのアイデアの根拠を体験していきます。ユーザー視点とデザイナー視点の両面からドライバーのグリップの形状を考えていくのです。
「7:3の法則」って様々な場面で使われる比喩的表現ですが、ドライバーにもあります。ねじ回しのときの力の入れ具合を主観的に表現したものです。押し付ける力7に対して回す力3という表現です。ドライバーで回してねじを締めたり緩めたりしていますが、本当は「回す」のではなく「押し付ける」ほうが大事なんですね。(技術科 沼田 和也)



