京都が誇るすぐき漬の魅力
〜歴史と技術の結晶〜
すぐき漬けプロジェクトでは、京都・上賀茂に本店を構える老舗漬物店「なり田」の松河さんにお越しいただき、すぐき漬けの歴史や作り方、技術をうまく使いながら伝統を守っていくというお話をいただきました。伝統を守りながら、大切にしていることを今の方々にとどけるというお話がとても印象てきでした。今朝の樽から出したばかりというすぐきをお持ちいただきました。なり田のすぐきは冬だけでなく、1年中食べることができます。熟成されているので、たくさんの旨みがふくよかに口に広がり、さわやかな酸味が食欲を刺激してくれます。京都の食文化を守るすぐき漬けプロジェクトにいつでも参加してください。(技術科 沼田 和也)
すぐき漬は千枚漬、しば漬と並ぶ「京都三大漬物」の一つで、乳酸菌発酵による独特の酸味が特徴です。その歴史は桃山時代に遡り、上賀茂神社の社家によって栽培が始まりました。江戸時代には「高級贈答品」として御所や公家に贈られる特別な存在でしたが、現在もその伝統が受け継がれています。
なり田のすぐき漬は、収穫から製品化までに丁寧な工程を経ています。栽培から始まり、収穫後は塩のみを使った「荒漬け」「本漬け」を行い、重石を使った独特の「天秤押し」でしっかりと漬け込みます。その後、「室」での熟成を経て、商品として完成します。なり田の特徴は、漬け込んだすぐきを全て樽から出さず、一部を1年間保存する点です。この長期間の熟成により、すぐき漬は深い酸味と独特の風味を備え、他にはない味わいを楽しむことができます。伝統製法を守りつつ、乳酸菌発酵と自然の味を追求。季節に応じた「すぐき漬」を通じて、食文化と歴史の魅力を伝え続けています。