みなさんが礼拝で利用するチャペル正面入り口には左右に黒い金属板があります。これは「天地創造」というテ-マの芸術作品です。よく見ると部分によって色合いが異なり、また見る位置をずらし光線の角度が変わることで、色調が微妙に変化します。
この作品を制作された鈴木真さんから、先日次のようなメッセ-ジが寄せられました。
「この作品は「天地創造」の混沌の中に何が見えるのだろうか?ということなのです。私が作るものはタイトルがすべて「景色」です。 作り手が考える特定のどこかの景色というわけではなく、見る人の感じるどこかの「景色」であってほしいと考えています。作った私の意図は重要ではありません。10年後20年後50年後に学校に戻ってきたとき、建物と同じように、あの絵も同じ状態で存在して扉の両側から「おかえりなさい」と迎えてくれる存在であったらうれしいです。 以前とは異なる景色が見えるかもしれません。 私が使う素材はいつもステンレスです。さびない鉄というこの素材は作られはじめて百年ほど経ちますが丈夫で美しい金属です。ガラスなどで保護しなくてもそのままで作った時と同じ状態を保つでしょう。いままであまり平面作品の表現の手段には使われませんでしたが紙やキャンバスと同じように扱われても良いすばらしい素材だと思います。」
鈴木真さんは、東京都中央区銀座一丁目のテアトル銀座の入り口扉や、墨田区にある江戸東京博物館のホ-ル扉(全ての扉が連作としてひとつの作品になっている)なども製作されています。みなさんも礼拝に行く途中のひとときに、また、静かな心を持ちたいときなどに、是非この「天地創造」の世界に入り込み、何が見えるのか作品と自分の心と対話してみてください。
In the entrance of the Grace Chapel there are two large black metal boards, one on the left, and one on the right. These are an artwork based on the Creation. The artist who made these, Makoto Suzuki, says that “they will slightly change color over the years, and he wanted them to always be there to welcome students back in 10, 20 or 50 years from now.”