Good Designの背景を実感する
魅惑の真鍮の輝きの背景にあるものとは?
Good Design賞 https://www.g-mark.org/
Good Design賞はすでに広まっているが、「本当に人々のためになる製品・サービスとは何か」という問いに真摯に向き合っていく取り組みはビジネス界の真髄といえる。「デザインによって、暮らしや社会をよりよくしていくための活動をしています。」とあるように入賞すること以上に、その「評価」軸の設定の過程のなかに、人々の願いや知識が詰まっているのだ。
宮谷先生の技術の授業では、金属をつかって一つの製品を実際に作り出す取組を行っている。体を通して得た「知」と実際の体験を経た「知」が詰まった作品は、生徒一人ひとりの労がつまった宝物だ。完璧なまでに磨きあげられた作品は、見ての通りとても魅力的な作品となる。しかし、単に磨き上げただけではない学びと本物の体験が詰まっているのだ。鋼を熱してたたいてのばす(鍛造)、旋盤で真鍮を削り出し、オリジナルな取っ手のデザインを表現する。磨きの技術とプロセスを学びながらプロ顔負けの輝きまで仕上げる。
良いデザインとは、なにも色合いや形だけではない。ユーザーへの共感に基づいたアイデア、作業プロセスを改良するアイデアにも独創性が必要になる。これだけの作業と集中力を注ぎ込んで出来上がった作品の向こう側には、たくさんの気づきが広がっているのだ。ビジネスも簡単ではないことも実感できるからこそ、自分もやれるという自信や自己肯定感を獲得できる「ドライバー実習」なのだ。
中学生になったらぜひこの本物の体験を通してものづくりの面白さを体験してほしい。(沼田)