「修学旅行」をクリエイト
「私たちは、プランを作る側の考えを体験できた!!」
「私たちは、プランを作る側の考えを体験できた!!」
これは生徒の新鮮な気づきだ。篠原先生の授業は、アウトプットが面白い。地理の授業で学んだことを、生徒たちは持ち前のクリエティビティとオリジナリティを使って、協同で発表する。テーマは修学旅行。
どの地域にお客様を連れていくか?
依頼主はどんな会社?
直接的なお客様どんなお客様か?
予算は?
入札の競合会社に負けない自社の売りを何にするか?
授業で学んだ社会の授業内容だけでは到底完成しないアウトプット課題だ。最初の方の授業とは違い相当な積極性が求められる学習活動だ。加えて、会社員であるかのごとき課題設定。市役所からの商品(修学旅行)提案の依頼、直接的なお客様は学校の先生であったり、その学校の児童・生徒、商品のコンセプトやコンテンツの充実はもちろん、競合会社が出してきそうなプランに勝てるだけのオリジナリティ。アミューズメント要素と教育的要素バランスポイントの設定の決断・・。この課題設定に、生徒たちは本気になった。
大阪、愛媛、ディズニー、北海道、、定番中の定番スポットを改めて調べ直す。調べれば調べるほど、知らないことが分かってくる。すでに知っている事柄とのアカデミックな出会い直しを重ねていく。児童、先生、観光課の立場を変えると、既に知っていることも違ってみえてくる。働き始めて、やっとわかることもある。立場が変わらなければわからないこと知る。そして商品提案の〆切は迫ってくるのだ。
写真はプレゼンの日。緊張する生徒たちと真剣な表情の篠原先生。生徒たちのプレゼンテーションに対して、篠原先生はかなり本格的に”もっと”出しや厳しめの助言をなされる。
「自分の発表だけ身勝手にすればいいのではない。自分たちの発表が他者の学びにコミットできてはじめて発表になる」
生徒たちもそれにこたえようと本気で緊張のプレゼンをしてくる。教師の本気に生徒たちも本気で応えようとすれば、学びもより広く深くなるのだ。
「難しかった。自分に言いたいことが上手く相手に伝わらないことです。自分の考えや意見を言葉にするのが難しくて、(・・後半略・・)」
この生徒は、薄っぺらな調べ学習の知識では相手に伝わらないこと、もっと知識を深堀りしなくてはならないことを身をもって体験している。
グループ活動には様々な気づきの場面がある。先回りしてなんでもてきぱきと要領よくこなしてしまう生徒の気づきも面白い。
「一人で作業をする方が物事もスムーズに進みますし、やりたいこともすぐにできて気をつかう必要がないのが利点です。しかし、グループだと自分が不得意なものでも得意な人がいたり、(・・中略・・)今回は『どこかを譲る力』が必要なのかなと思います。投げやりにしたわけでも、妥協したわけでもなくあくまでも『譲る力』です。(・・中略・・)グループ活動でより深まった力だと思います」
近い将来、この生徒がプロジェクトチームのジェネレーターとして活躍している姿をつい思い浮かべてしまうのは筆者だけではないはずだ。世の中のダイナミクスの原点にアプローチされている気がしてならないからだ。
右から左に知識を流すだけでは授業とは言えなくなった今の時代に、篠原先生の授業では、教科コンテンツだけではない生きた学びを獲得することができる。確かな知識や技能を獲得するだけにとどまらず、皆さんの創造性や協同のマインドを育み、社会で活躍していただけたら、授業デザイナーとしてこんなに嬉しいことはない。(沼田)
What’s the presentation activities in the classroom?
Presentations are not for the presenter’s self-satisfaction. A presentation in a school class should be a presentation that can commit to the learning of others.
In this decade of the education field, it has already been denied the class which is just transfer knowledge in a class.
In Shinohara sensei class, students can get active learning beyond subject contents. We, as class designers, hope that students not only acquire knowledge and skills, but also develop creativity and a cooperative mindset and become active in society. (Numata)