世の中をちょっと優しくする発明のプロジェクト(2)
プロジェクト化する学び
1学期に、3年生では、社会(経済)、美術、技術のコラボ課題「世の中をちょっとやさしくする発明」に取り組みました。
経済では、「需要と供給」「企業の責任」「消費者の権利」について学習しました。
技術では、既存の製品に潜むちょっとした工夫を発見する「アイデア発見シート」のレポートに取り組みました。
美術では、日常に潜むちょっとした不便を出発点に、新商品のアイデアを考え、スケッチを作りました。
そのうえで、デザイン思考を意識して、大量生産の商品を使う時に、困っている誰か(=ユーザー)にとっての不便を解消する、新商品のアイデアを提案しました。
以下は、3年生に書いていただいたものです。
学校の授業でのことでした。私は先生が言った言葉に驚きました。
「この授業を利用して、バネにしてください。」
そんなことを言った先生は今まで出会ったことがありませんでした。
その後に先生は小学校6年生で特許を取得したという少女の動画を見せてくれました。
私はその動画を見て、その少女は特許を取ろうとしたのではなく誰かを助けようとして発明したことがきっかけで特許を取ることができたのだと感じました。
授業ではまず、誰が対象となって商品をつくるのかを考えました。なかなか決まらない中ある日家で母が薬瓶から薬を取ろうとした時、瓶を逆さまにしてしまったので薬が散らばって床一面薬だらけになってしまいました。
私はその様子を見て「これだ!」と思いました。
この授業では観察力も大切なのだと気付かされた瞬間でした。
私は何とか解決できる策はないかと考えたとき、指を瓶に入れるのも詰まってしまうし、スプーンのようなものですくってとりたいと思いました。
授業でもらったアイデアシートに書き込み、どんどん完成に近づくような商品像が出来あがりました。
私は社会の授業でもただ習うのではなく、アイデア発想や、思考力、観察力など沢山の自分の力を使ったような気がしました。
誰でも特許を取れる可能性があること、学校の授業がきっかけを作ってくれていること…
この学びを活かしてこれからの自分の可能性を見つけていきたいです。
このプロジェクトでは、各自が新しい商品アイデアを考えました。もちろん、ワークシートが完成間近になって、実はすでに同様の商品があったことが判明したというケースもあります。
ただ、このプロジェクトで重要なのは、日常で困っている誰か(自分自身も含めて)を想像し、問題点を定義して、解決策を練る過程です。また、アイデアを人に伝えるために工夫する過程です。
それによって、既存の商品に込められた工夫や技術を見る目が変わり、また日頃から困っている誰かを想像する目が養われたら…と思います。
(作成:濵野 担当:青木・塩田・沼田・濵野)