書籍紹介「ぼくと数学の旅に出よう」
書籍紹介
ミカエル・ロネー「ぼくと数学の旅に出よう」
NHK出版 2019 (原書は2017年)
最近、と言っても21世紀に入ってからですが、わかりやすく数学の歴史をたどる本が出ています。
その中で、サイモン・シン「フェルマーの最終定理」(2006年)が最も有名な本だと思いますが、フランスの数学者ミカエル・ロネーの「ぼくと数学の旅に出よう」も世界の国々で生まれ、発展した数学をていねいに紹介しています。
全部で17章あって、テーマが多くあるのですが、私が印象に残ったのは第13章「世界のアルファベット」です。17世紀に入って、数学者・科学者たちは宇宙・自然界の現象にはルールがあり、それを数学という言語で表現できることに気づいていきます。ケプラー(ドイツ 1571-1630)やガリレオ(イタリア 1564-1642)、ニュートン(イギリス 1642-1727)によって、自然の法則が数式で表現されていきます。そして、そのことで、人類は未来を予測する力を手に入れるのです。具体例として、ハレー彗星が数学と物理学によって1759年に太陽に近づくのを計算で予想したこと、1846年にまだ発見されていなかった海王星の存在を計算から予測したことが紹介されています。数学(数式)は「世界のアルファベット」になっていったのでした。
興味を持ったところを開いて楽しんでもらえたらうれしいです。
(数学科 園田毅)
○関連リンク
<NHK出版>ぼくと数学の旅に出ようPV
https://youtu.be/yMkdwuXiAaw
数学の地図(The Map of Mathmatics)
https://youtu.be/OmJ-4B-mS-Y
著者のYoutubeチャンネル(フランス語)
https://www.youtube.com/user/Micmaths