新たしい科目 技術科って?
革新的アイデアを生むきっかけに
以前毎日小学生新聞にもコラムを書かせていただきましたが、技術科という新しい科目の紹介をします。
中学校になれば「技術科」という新しい科目が始まります。英語で言うtechnology(技術)やEngineering(工学)の手ほどきを学ぶ科目と思ってください。今にわかに世界では(アメリカをはじめとして韓国、シンガポール、タイも)、「STEM教育」という教育が注目されています。STEMとはScience、Technology、Engineering、Mathの頭文字をとった造語で、それらの科目に関連したプロジェクトや課題を中心にして学んでいこうとする教育が今トレンドになっています。さらに芸術であるArtを加えてSTEAM という括りでプロジェクト考えたり、”物事の発想をSTEAM的に・・”という表現を使う人もでてきていますし、経産省では学びのSTEAM化という表現で未来の教室の柱の一つに設定しています。
授業で知識を得るだけでなく、巧みな手技、独創的なアイデア、他の人とアイデアや意見を交換して新しい考えを打ち出していく力が養われるとされていることもあって、日本でも注目され始めています。技術の授業では、他の科目(特に数学、理科、社会、美術)で学んだことを土台にして、実際に道具を使ってものを作ったり、共同で工夫して問題を乗り越えていく体験をします。実際の活動では、材料(木材や金属や樹脂など)を使った作品製作、食物などの育成、コンピュータープログラミングやそれを使ってロボットなどを制御する体験、電気工作など楽しいことが目白押しです。中学での技術の授業をぜひ楽しみにしていてください。作り方を教わるだけじゃない例えば、技術の授業である木作品として、本立てを作るとします。中学校では、より本格的な道具や機械も使いますからそれもまた楽しいもの作りの時間ですが、単に作り方や道具の使い方を教わるだけではありません。どこでどのようにその本立てを使うのか、友達とアイデアを共有しながら学び合い、より独創的にデザインし、仕上がり具合を決め、作品を売り込むための広告やキャッチコピーも作り、作品のプレゼンテーションとしてアピールも行います。こういったプロセスを学ぶ体験があれば、大きくなったとき、さまざまな産業やテクノロジーを自分で理解し、また今は存在しない職業についた時も、それらを想像したり、使い手や作り手の立場を超えて共感するときの助けになるでしょう。実習場面で体をくぐらせた教養を身につけることは、正解のない問題に出合った時も、革新的なアイデアを生み出すときの引き出しの一つになると思ってます。
今後様々な科目との関連性をもたせながらプロジェクトに取り組んでいきたいと思いますし、様々な教育関係の方々とも手をつないで立場をこえて次世代の教育に貢献していけたらと思っています。毎年8月には国境を越えて取り組むASIA STEAM CAMPをカフェテリアで行っています。国境も超えて様々な立場の方々とアイデアをシェアしていきたいとも思っています。(沼田)