探究し発信しよう~本気の10代が世界を変える~
3年生の自由研究の発表の前日、会場準備が終わりました。今年は初めてのポスターセッションタイプの発表形式になります。いつもの教室とは違った雰囲気で明日がとても楽しみです。どの発表ボードも素晴らしく、明日の生徒のみなさんの口頭発表や製作した論文やオブジェが加わると考えるだけでさらにわくわくします。ボードを見るだけで、この方はものすごい時間をかけたのだろうなとわかるもの、テーマ設定のユニークさやアプローチにオリジナリティがあふれていて明日絶対に聴きに行こうと思うもの、緻密さに圧倒されるものまでいろいろな見方ができて、本当に楽しいです。
世界は今、教育改革や新しいコンテンツが目白押しですが、それらをひっくるめて大きくいってしまえば、探求(活動)という言葉でまとめることができます。先にわかっている答えを覚えるだけの学校から、自ら問いを見つけ、それにむけて探究する活動が正統に位置づく学校に変化し始めているのです。日本にあった昔ながらの自由研究は実は古くて新しいとも言えますし、それが今違う角度から光が照らされているとも言えます。
加えて、そもそも探究的な活動は、年齢や立場、国境を越えて世界をつなげます。今月のTEDでアップされたスウェーデンの気象活動家のGreta Thunbergさんは現在16歳です。地球温暖化など環境問題に胸を痛めたGretaさんは、15歳にしてCOP24やダボス会議にてスピーチされ、スウェーデンを越えて世界中が彼女のスピーチに耳を傾けるに至っています。私たちが直面している問題は既に国境を越えています。環境問題にかぎらず、災害、病気、宗教、人権、戦争や紛争などその他の問題も、何人だからどうのこうのという問題ではなく、国境や立場、年齢などこえて、地球規模の問題として私たちの前に存在していることに気づかされます。地球規模で物事を考え、足元から行動することの大切さを教えてくれています。等身大の自分の行動が世界を変えるのだと。
1年生の中にも非常に素晴らしい取組をしようとしている生徒がいます。国境なき医師団についてと、フェアトレードについての研究課題に取り組んでいます。両者に共通している中のひとつは、メッセージ性といいますか、研究の向こう側にある”芯”のようなものがあるということだと感じています。「一方的に覚えることだけが勉強じゃない」ということを身をもって私たちに教えてくれる取り組みだと思っています。(knumata)