3年生の塩尻さんが、村田製作所 INNOVATOR IN ELECTRONICS賞を受賞されました。
テーマは、『鳴き砂が鳴かなくなる要因を探る』でした。鳴き砂の研究は、小学校時代から始められ、中学校の自由研究でも3年間ずっと続けてこられ、今年で鳴き5年目となります。
内容は以下の通りです。
「かつて鳴き砂であった夕日ヶ浦海岸の砂が鳴かなくなった要因を探りました。要因として、マイクロプラスチックごみより油やタバコの汚れが大きいと予想しました。比較対象として鳴き砂である琴引浜の砂を用いました。夕日ヶ浦の海岸から満潮線、干潮線、その中間線に分けて計10か所の砂を採集して、客観的な比較になるように音をオシロスコープで波形化し比較して、考察した作品です。」
講評は、以下のようにいただきました。
「本作品は、今まで研究してきた鳴き砂の鳴く要因を下地に仮説を立て、条件をそろえて実験を行った研究の王道をいく作品です。プラスチックごみの除去にも複数の手法を用いるなどかなり入念に行っています。その結果は、予想よりも割合はかなり少なかったにもかかわらず、除去することではっきりと音が戻ることを示しました。一方で、油やタバコの汚れを除去すると、波形の大きな違いは見られなかったが波形の間隔が揃ったり規則的になったりすることを見出しました。この研究で鳴き砂がかなくなる要因がプラスチックごみや油汚れであるという結論を得ました。本作品は、砂の採集地の選定方法、実験の方法・反復回数など、研究の丁寧さが光ります。また機械を用いて客観性をもたせた点も光ります。図表も分かりやすくまとめられています。研究実験を行う上で、良いお手本となる作品です。」
(文:沼田 和也)